ざっくジャパン

その時に書きたいことを書くなんでもブログ。

ハーフマラソンを走ったよって話

人間は熱で動く生き物である。

熱がある時、面白そうなモノには際限なく手を伸ばす。

好奇心の音は熱の続く限り鳴り止まない。

俺は"熱"を愛している。

 

だが熱とは冷めるもの。

熱が冷めてしまうととたんに行動が鈍ってしまう。

 

「鉄は熱いうちに打て」とはそういうことだろう。

 

はい、そんな熱の法則に反して

冷めた気持ちのまま、つい先日ハーフマラソン走ってきました。

義務でした。義務ハーフマラソンです。

 

10月の半ば頃に勢いでエントリーしてしまったんよね。

いやー、5000円出したし熱がどうこうとか言えなかった。

 

冷めても燃やさなければならない熱がそこにあった。

薪を焚べて、灰を更に燃やし尽くした21km。

 

何故そんなことになってしまったのか

事の発端は今年の1月頃、実家に戻った日まで遡る。

 

太った。

 

以上。

 

実家では晩飯を食べたと思ったら何故晩飯が出てくる。

そう、これが数年ぶりの変わり果ててしまった実家の姿である。

 

こんな気取った書き方をすると親がボケたと思われかねないね。

俺が帰ってきたのが嬉しくて一生飯を作ってくれる。

ただそれだけのことらしい。

 

おまけに残業したら絶対ラーメンを食べることにしている。

 

三大欲求なんだ。

しょうがない。思うがままに食を貪った。

 

そう。太った。

52kgぐらいで実家に戻ったはずが夏の時点で58kgになってた。

 

27年間変動しなかった体重が6kgも増えた。

今大きな嘘をついた。流石に生まれたては3kgだった。

高校生ぐらいからずっとこの体重だったんだよね。

もう成長も止まってます。悲しい。

 

だから食べればどうなるか。

考えるまでもない。食った飯は全て脂肪になる。

運動もしてない。ぶくぶく丸くなる。

 

流石にまずくないか?と危機感のボルテージが上がる。

怠惰のオタク、ざっくに生まれて初の緊張が走る。

 

深夜に唐突に外に飛び出す。そして走り出す。

9月末の夜。帰り道に買ったアイス残して。

 

8月の夜ではないので当然、SILENT SIRENではない(?)

 

禁煙のついでに体力作ろうかなという気持ちも少しあった。

 

意外とそれが楽しくて楽しくてしょうがなかった。

陸上やってた頃を思い出す。

 

―――突如、脳内に溢れ出す忘れていた願望。

俺、そういえば死ぬまでにフルマラソンやりたかったんだ。

 

でもいきなりフルマラソンは身の程を知るべきではある。

 

大学生の頃、酔っ払って終点まで輸送されて23km歩いて帰った時に足が千切れそうになったことを思い出した。

うん、無理やね。

 

だからノリと勢いでとりあえずハーフマラソンにエントリーした。

久しぶりに走るの楽しいし12月2日まで

走れる日は走っちゃおっかなーと。

 

仕事のない日や仕事終わりにやる気があればとにかく走った。

 

面倒くさい時とかは20分程度で終わったりしたけど

ちゃんと継続はしていた。そう、11月までは。

 

―――11月。

体重計に久しぶりに乗ってみた。

体重は54kg。そう、4kg痩せていた。

 

痩せたし走るの飽きたな。

 

もう二度と夜に走ることはなくなった。

そう、熱が冷めてしまった。

 

そうしてだらだら過ごすうちに月日は流れ、

ついに訪れるハーフマラソン当日。

 

絶望した。おい、走れる気しないって。

そりゃそうだ。21kmなんて人の足で動いていい距離じゃない。

参勤交代かよ。江戸時代かよ。

 

周りに普段走ってそうな友人連れの人が沢山いる。

一方、たった1人で何故か参戦してしまったオタク。

かわいそう。

 

もう何年ぶりかわからないラジオ体操をする。

とても寒い。帰りたい。

 

イヤホンから鳴るクリープハイプのラブホテル。

「夏のせい 夏のせい 夏のせいにすればいい」

いや、冬だが。

 

そんなことを思いながら準備を整え位置につく。

 

横にいる若い女性の談話が聞こえる。

 

今回は2時間切りたいね〜。

大丈夫っしょ〜。

そんなこと言ってられるのも今のうちだけだよ。

 

うん、帰りたい。

 

係員の人が出走の合図を出す。

いちについて、よーい。

 

う〜、うまだっち!

う〜、うまぴょい!うまぴょい!

 

なんて呑気にうまぴょいできるのは5kmぐらいまでだった。

5km地点通過時間は25分。

 

1ヶ月全く走ってなかったわりには1km5分ペースでかなり順調だった。

呼吸の調子も良かった。呼吸の調子は。

 

3km地点で少し左足が痛んでいたがなんとかなった。

運動なんて全くしてないから筋肉的に耐えられるわけがない。

でもまあいけるなと軽い気持ちで走る。

 

7km地点で右足も負傷する。

左足が痛めばフォームは狂う。

その負荷は当然もう片足に降りかかる。

 

9km、両足を攣る。

すぐに伸ばした為、致命傷は避けた。

お〜ん、流石にきついかもです。

 

10km地点、通過時間は確か55分。

失速はすれどまだそこまでペースは落ちてなかった。

足の状態を見るに流石にまずかったからペースを更に落として走る。

 

11km地点、再度両足を攣る。

完全に攣る。これまでにないぐらいに攣る。

大きく態勢を崩して倒れかける。

 

筋肉が悲鳴をあげ、幾度となくピクピク勝手に動く。

どひゃ〜別の生き物がここに宿ってやがる。

 

俺の中に別の生物が寄生した。

こいつらをそれぞれミギーとヒダリーと名付けた。

これで漫画でも書こっかな。

タイトルは―――そう、「寄生獣」。

間違いなくヒットするね。実写映画待ったなしやね。

 

ここからが俺たち3人の地獄の始まりだった。

ペースが遅すぎて呼吸は完全に整った。

だからマラソンもクソもないが、

 

気合と根性で動かない足をただひたすら前に送り出す作業。

右足、左足、ミギー、ヒダリー、ミギー、ヒダリー。

 

二人三脚かて。

いや、三人二脚やね。

 

現時点で残り10kmという現実と一度向き合う。

 

うーーん。無理です!w

思わず単芝が頭に浮かぶ。

 

流石に走れない。競歩で足を休めた。

落ち着いてきたら少し走って攣りかけて、

競歩に戻って足を攣って、伸ばして歩いて競歩して、

少し走っては攣りかけて攣って、

攣って攣りかけて攣って攣りかけて攣って攣って攣って。

 

 

幾度となくこれを繰り返した。

通行人に兄ちゃん大丈夫か?と話しかけられた。

 

泥酔して道端に崩れている時に、

水を買ってくれた優しい兄さんを思い出した。

「兄さん大丈夫?飲み過ぎとちゃう?お水とかいる?」

 

こんな感じの優しい声をかけてくれたので

「大丈夫っす!ありがとうございます!」

 

元気に返事する。呼吸だけは整っている。

 

日本人って温かいな。

他人事のような事が頭に思い浮かぶ。

 

自分の2倍は年齢がありそうな人に何度も追い抜かれた。

悔しくて同じペースで走るも30秒以内に攣りそうになって崩れる。

 

拷問かよと。

でもここまできて諦めるのも流石にかっこ悪すぎる。

 

とりあえず無心に足を前に出し続ける。

俺はそういう機械になったんだと言い聞かせる。

ワタシポンコツアンドロイド。

 

気付いたら最後の直線に来ていた。

タイマーを見ると2時間27分。

 

流石に30分は切りたい。あとちょっとだけだ。

 

無理をしてペースを上げて走った。

3秒後に足を攣った。盛大に足を攣って崩れた。

 

係の人が近づいてきて大丈夫ですか?と話しかけられる。

 

「大丈夫じゃないです!!!!!

 でももうこれで最後なんで!!!!」

 

呼吸だけは整っている。

足を引きずりながらゴールに向かう。

完走時間は2時間30分2秒。

 

2秒遅かったのが本当に俺らしいし

悔しいけどなんとか完走はできた。

 

いや、もう達成感が凄かった。

フルマラソンは練習せな絶対無理やね。

でも練習飽きるから実質不可能やね。

 

なんて思いながらもなんやかんやで来年もハーフ走るのありかもなって思えるぐらいには楽しかった。

やりきったからとてもえらいなと、自画自賛した。

だから完走直後に二郎系を食べた。久しぶりにたばこも吸った。

 

もうね、アホほど美味かったです。

ラーメンもヤニも五臓六腑に染み渡った。

 

五臓がロックして無敵モードです。

鼓動が六腑を打ってました。

 

なので12月は禁煙をやめることにしました。

 

太った?知らねえ!

ありとあらゆる飯を、グルメをどか食いする。

 

そうして今に至るまでどか食いを重ねて56kgになった。

まあそういうもんよね人生。

生まれて初めて体重を気にしたけどまあ増えたら減らせばいい。

それだけのことだったりする人生。

 

1ヶ月1ブログのノルマ達成!

でも今月はもう1つブログを落とす予定です。気が向いたら。

 

では皆さん、良いお年を!